〜フェザークラフトK1 Exp.のラダーペダルをK2仕様にしてみた編〜

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フェザークラフトK1 Exp.に乗りはじめて6年目。期待したとおり非常によく考えられたフネで、「K1で良かった」といった状況もたびたび経験したけれどただひとつだけ不満がありました。
それは長時間漕ぎつづけると、繰り返されるラダーペダルの操作のたびにシーソックが少しづつ前方にズレてしまうためペダルを大きく踏みこんだとき、先にシーソックが張ってしまってペダルの踏みしろがなくなってしまうことでした。
また、足がスリップしてペダルを踏み外すこともときどきありました。
いずれも1〜2時間のパドリングではほとんど問題にならないし、それにもしかするとこれは私の漕ぎ方に起因するトラブルかもしれないので「欠点」という訳ではありません。
カフナなどフェザーの他のカヤックでも同様のシステムですが同じような不満はあまり聞いたことがないですからね。
ただやはり自分としては「どうも気に入らん!」と思い続けていたのでした。
そんな折ふと、以前沖縄カヤックセンターのツアーでフェザークラフトK2 Exp.を漕いだときのことを思い出し、『使いやすかったK2のスターン用シーソックをK1に取り付ければ一挙に問題解決じゃ!』 と閃いた次第。
さて、西日本でフェザークラフトといえばグランストリーム大瀬師匠。早速琵琶湖に飛んでいき相談してみると「考えたことなかったけど出来るんじゃないですか?」とのこと。
その場でK2スターン用シーソックをオーダーしたのでした。

後日、大瀬氏からシーソックが届いたので早速、K1にK2のスターン用シーソックを取付けてみました。詳細は以下の通りです。
ご存知のとおりK2のスターン用シーソックは他のモデル用とは違い、シーソック自体にスリッパ状の部品(フローティングフットブレイスと云うそうな)が取り付けられており、これが他のカヤックでのラダーペダルの働きをします。
ラダーワイヤーはシーソックのサイドにあるフックに接続され、シーソック自体を介してペダルの動きをラダーに伝えます。

このためそのままでは長すぎるラダーワイヤーとワイヤースリーブを
20cmほどカット。ワイヤーの先を元通りループにしてしっかりとカシメ
ます。
ラダーがニュートラルの状態で長さはこんな感じ

次にペダルを常に定位置に保つためのバンジーコードを取付けます。
K2の場合#2リブのサイドにループさせるのですがK1の場合は#1リブに写真の様にDリングを取付けてみました。

シーソックと#1リブのDリングに取付けるバンジーコード
青いストラップはコーミング側からバンジーコードを引っ張り出すためのもの。荷物の出し入れ時にはコーミングノブに引っ掛けます。
シーソック側の取付けはこんな感じになります。テンションの調整ができるように結び目を3つ作りました。
バンジーコードの取付けはフネの組立後バウハッチ(点線の位置)から手を突っ込んで簡単にできるようにしました。
#1リブのDリングにバンジーコードを取付けたらコーミングから青いストラップを引っ張り、シーソックにフックを取付けます。
取付け後の内部の様子
スキンを外すとこんな感じ
サイドビュー
荷物の出し入れには少々邪魔ですが積み込んだ荷物にバンジーコードが接触しても作動には問題なし。
俯瞰してみました。
番外編
K1に限らずスキンの縮みでセットアップ、苦労されていませんか?
スキンを濡らしたりはたまたお湯をかけたりといろいろやってみましたが面倒なのでキールにもう1個穴を開けちゃいました(矢印)。
とりあえずここまでテンションをかけてからひと休み出来るので、後は仕切り直して頑張るもよし、先にチャインバーから伸ばしていくのもよし。とにかくずいぶんラクになりました。
ただし、穴の位置には充分注意しましょう(正規のテンションでインナーバーとアウターバーが重なる位置になるように)。
詳しくは画像をクリック!
 
ということで早速琵琶湖に持込み、テストしました。
大瀬師匠にも乗ってみてもらいました。「イイ感じですね。」とのこと。
そこで先日熊野灘で7時間程連続で漕いでみました。荷物を積んでの最終テストです。
当日は風が強く波もあったのですがトラブルはなし。K2の場合と特に変わるところはなく、スリッパ状のペダルのおかげで踏外すこともありませんでした。
実はフローティングフットブレイスの為荒天時のホールドに関しては、安定が良いK1とはいえやはり1人艇、一抹の不安がありましたがこれも全く問題ありませんでした。私の場合オプションの「サイブレイスキット」をいつも装着しているのでその効果も大きかったと感じました。
ここで今回の結果をまとめてみます。
改良後良くなったと思われる点
 1.一番の悩みであった「シーソックの突っ張り」が無くなった。
 2.ペダルの踏み外しが無くなった(人生の踏み外しも無くしたい)。
 3.フローティングフットブレイスの為足位置がある程度自由である。
 4.ペダルの位置調整がシーソック内でできる。

改良後悪くなったと思われる点
 1.バウ部分への荷物の積込みの際、バンジーコードが邪魔。
  
この問題は解決されました! 荷物の出し入れ時には青いストラップをコーミング前部のスクリュー(コーミングノブ)に引っ掛けておくことで、バンジーコードはデッキのすぐ裏に沿うようになり、出し入れにほとんど邪魔にはなりません。 ただし現行モデル(ビルトインコーミング仕様)にはコーミングノブ自体がありませんので工夫が必要ですね。

とまあこんなところでしょうか。
皆さんの中でもし同様の悩みをお持ちの方は一度検討されては如何でしょうか?

CAUTION!

 ・ただし改造後のトラブルに関しては一切関知致しません。自己責任で行ってください。
 ・また、大瀬氏には個人的に相談したのみで本改造の内容については無関係です。
 ・本改造はK1exp.でのものです。カフナなど他のカヤックへのフィッティングは検証しておりません。御注意ください。
 ・質問は歓迎です。リアスまで来れれば試乗もできます。

                                     おしまい。
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